魅力とは?一般的な意味と仏教的な意味から解説

From:堀口寿人
焼き畑の煙香る実家より

この記事の目的は、あなたに魅力の意味をしっかり理解してもらうことだ。

そのためには、まず魅力という言葉の正しい意味を解説する。さらに、魅力にはどんなものがあって、それぞれどんな特徴があるのかを掘り下げて考えてみる。

そうすることで、あなたは魅力とはどんなものかを、かなり体系的に理解できるようになるはずだ。

というわけで、まず最初に魅力について、正しい知識を得てもらうために、心理学辞典からの意味を引用して解説する。

さらに、仏教の知恵も借りながら、その意味を深堀していく。

魅力とはどんな意味?

魅力の正しい意味を知るにあたって、アメリカ心理学会が発行しているAPA心理学大辞典を参考にする。

この辞典によると、魅力は、次の3つの視点から説明されている。

社会心理学的な視点

他者あるいは、他の人々に惹かれたり、仲間になりたいと感じることと定義される。多くの場合は、相手に対する個人的な好意に基づくものであるが、この好意は魅力を生起させる必要条件ではない。

これが辞典からの引用だ。

要するに、ここでは、「魅力とは“自分が”人に惹かれること」という意味で解説されている。この内容をもう少し分かりやすく書くと、こんな感じだろうか。

魅力とは、他人と仲良くなりたいと感じることである。たいてい、相手に対する個人的な好意に基づいて魅力が生まれる。でも、好意がなければ魅力が生まれないというわけでもない。

もっとかみ砕いて言うと、「好きな人に対して魅力を感じることが多いが、そうじゃない人に対しても魅力を感じることはある。」というような意味だ。

環境心理学的な視点

個体間の近接関係に影響を与える資質を指す。通常個体の近接は、互いへの好意を反映すると考えられる。例えば、互いに好意をもつ男女や女性同士のペアは、互いに魅力を感じていないペアよりも、相互距離が近くなる。騒音、暑さ、湿度といった環境要因が魅力を減じる。→プロクシミクス

これも、さらに翻訳が必要だろう。分かりやすく言うと、こんな意味だろうか。

魅力とは、人間関係の距離の近さに影響を与える力のこと。普通は、「人間関係の距離=お互いへの好意の大きさ」だと考えられる。例えば、お互いに好き合っているペアは、そうでないペアより人間関係の距離は近い。しかし、騒音、暑さ、湿度といった環境要因によっても人間関係の距離は変化する。

何となくニュアンスで理解してもらえるだろうか?

最後の部分を補足すると、例えば、蒸し蒸しした暑い夏とかだと、冬よりも人と離れたいと思うだろう。

ガンガン音楽が鳴っているうるさい場所だと、声が通らないので、相手の耳元近くで話すことになる。結果、相手との距離は近くなる。ま、こういうような感じで理解してもらえ ればいいだろう。

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かなり余談だが・・・僕は昔クラブが好きでよく通っていたころがある。クラブでは爆音で音楽が鳴り響いているので、普通の話し方だと声が通らない。

だから、必然的に相手の耳元で話すことになる。そういった環境を利用して、よく女の子に声をかけていた。普通よりずっと近い距離で話すので、よくドキドキしていたものだ。

これは、環境心理学的に言うと、騒音が魅力をアップさせたということだ。

影響力としての魅力

魅力の影響力のこと。個人が他者にとって魅力的である程度。また他者から好意をもたれる程度→対人魅力

これは、それほど補足説明はいらないだろう。「魅力とは人を惹きつける強さだ」と言っているわけだ。

魅力の意味まとめ

さて、3つの視点から魅力の意味を見てきたが、その要点を整理しよう。

  1. 魅力とは、自分が人に惹かれること(社会心理学的)
  2. 魅力とは、人間関係の距離の近さに影響を与える力のこと(環境心理学的)
  3. 魅力とは、人を惹きつける強さ(影響力としての魅力)

こうやって並べると、それぞれ若干視点が違うのが分かる。ただ、結局はどれも同じことを言っているわけだ。

つまり、魅力とは「人を惹きつける力、またはその強さ」という意味になる。

さて、これで魅力の意味はだいたい定義できたわけだが・・・

もう少し魅力の意味を掘り下げたいと思う。というのは、僕たちが人に魅力を感じるとき、大きく分けて次の2つの対象があるからだ。

対象1.物質的魅力

物質的魅力の意味

物質的魅力とは、物質として目に見えるタイプの魅力だ。具体的に言うと、財産、健康、美しさ、権力、名誉、人気などがある。

生まれつき持っている魅力もあれば、生まれてから身に付ける魅力もある。

ただ、いずれにしても、物質的魅力にはある共通した特徴がある。

物質的魅力の特徴

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物質的魅力の特徴とは、一言で言うと、一時的だということだ。もう一度さっきのリストをよく見て欲しい。永続的に存在するものはあるだろうか?

例えば、お金持ちの男性が、女性にモテモテだったのに、お金が無くなったとたん、女性にモテなくなるなんてシーンはドラマでありがちだ。

要するに、お金も減ったり増えたりする性質のもので、5年後どれだけの財産を持っているかなんて分かったものじゃない。

健康もそうだ。今日健康でも、もしかしたら明日病気になるかも知れない。それは今日の自分には分からない。

美しさも同じ。例えば、いきなり不意の事故で火傷を負って、容姿が全く変わってしまうかもしれない。普通にあり得る話だ。

そう言えば、昔亡くなった祖父が手に包帯を巻いていた。僕が「どうしたの?」と聞くと、祖父は「電動機械で指を切り落とした」と言っていた。そう、ちょっとしたことで、容姿も変わってしまうわけだ。

肉体の教え

さて、ここで仏教の教えを紹介しよう。

見よ。様々に作りなされた欲の幻影を。寄せ集めの傷だらけの身体を。病んだ、妄想多きものを。そこに、常恒で、安住するものは存在しない。ダンマパダ147

老い朽ちた、この形態は病の巣となり、壊れ崩れる。腐敗した肉身は朽ち果てる。死という終極あるのが、まさに生命である。ダンマパダ148

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これは、僕たちの肉体について語っている誌だ。もう少し分かりやすく訳すと、こんな感じだ。

見なさい。あたかも美しく作り上げられた幻の人間像を。実際は、血や肉や汗や臓器や、そういう汚いものの寄せ集めに過ぎない。病気にもなるし妄想も多い。不安定で、すぐに崩れ去るものである。

この身体は、老いて朽ちて、病気の巣となり、崩れ去るものである。結局、肉体は腐って朽ち果てるのだ。そうやって最後には死ぬのだ。これが生命である。

どうだろう?不都合な真実を突きつけられたという感じじゃないだろうか?でも、これは事実だ。

「人間」という実体があるわけじゃない。血や肉や汗や臓器など色んなものが集まったものを「人間」と呼んでいるだけだ。

砂や石や土などの集まりを「山」と呼ぶように。水の流れを「川」と呼ぶように。金属やガラスやオイルの集合体を「車」と呼ぶように。

つまり、肉体の魅力は、不安定で一時的で、それほど魅力的なものじゃないというわけだ。

財産の教え

じゃあ、財産に関してはどうだろう?これについても、仏教の教えがある。

「私には、子供たちが存在する。私には財が存在する。」と愚者は所有の思いに打ちのめされる。まさに、自己は、自己の物として存在しない。なのにどうして、子供たちが自己の物として存在するであろう。どうして、財が自己の物として存在するであろう。ダンマパダ62

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これに関しては、解説しなくても、意味は通じるだろう。

要約すると「自分自身すら自分の思い通りにならないのに、どうして自分以外のもの(子供や財産)が自分のものになるだろう」という意味だ。

僕たちは、自分が考えたいものだけ考えようと思っても、その通りにならない。病気にならずにずっと健康でいようと思っても、その通りにならない。

これが、「自分自身すら自分の思い通りにならない」ということだ。だとしたら、子供や財産はなおさらだと言っているわけだ。

つまり、「自分に立派な子供がいること」、「自分に財産があること」を自分の魅力の一部にしようとしても、それは自分の思いに反して変化したり、失われたりするものだということだ。

物質的魅力とは、つまり・・

物質的魅力とは、つまり、不安定で、一時的で、自分のものにならない。例え、得たとしても自分はそれら全て捨てて死ななくてはならない。

そして、それらを維持管理できたとしても、そのために多大な努力が必要になり、結局自分がそれらの奴隷になる。

さらに、一番重要なことは、物質的魅力は、他人の欲、嫉妬、劣等感といったネガティブな感情を刺激することだ。

対象2.精神的魅力

精神的魅力の意味

精神的魅力は、一言で言うと、性格的な魅力だ。それは目に見えない。心で感じるタイプの魅力のことだ。

じゃあ、魅力ある性格とはどんな性格だろう?また、仏教の教えを引用しよう。4つある。

精神的魅力の4つの要素

1.布施(ふせ)

自分が持っているものを与えるという意味だ。必ずしもお金だけじゃなくて、あなたが持っている知識とか所有物でもいい。

“自分がいらないから”あげるというのは布施にならない。“相手が必要としているから”あげるのが布施だ。

2.愛語(あいご)

優しく思いやりを持って話すという意味だ。人を傷つけず、人を一致団結させるようなそういう言葉だ。

いくら正しくて相手の役に立つ言葉でも、嫌味で相手の気分を害するような言葉なら、愛語にならない。

3.利行(りぎょう)

人の役に立つ生き方をするという意味だ。

例えば、仕事なら、自分の利益ではなく、「どうしたら相手が喜んでくれるか」を精一杯考えて働くこと。地域活動なら、「どうやったら地域のためになるか」を精一杯考えて働くことなどをイメージすると分かりやすい。

4.同時(どうじ)

自他の扱いを差別しないという意味だ。僕たちはつい「自分は特別」と考えがちだ。

でも、自分という殻を抜け出して、上空1000mくらいから、自分を客観的に見降ろしたとイメージして欲しい。すると自分も他人も同じ生命だと気づく。そこに価値の差はない。

そういった客観的な視点で自分を判断するということだ。

精神的魅力の特徴

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精神的魅力とは、性格の事だと話した。性格は一度身についたら、そう簡単に変わらない。

例えば、あなたが“愛語”という性格を身に付けたとしよう。そうすれば、あなたはいつでもどこでも愛語を使う人になる。

歳を取ろうが、怪我をしようが、空腹だろうが、満腹だろうが、家にいようが、外国にいようが。だって、それがあなたの性格だからだ。

こんな感じで、精神的魅力は一度見につくと、永続的に力を発揮してくれる。

そして、精神的魅力は、物質的魅力と違って、自分と一体になるものだ。いつでも、どこでも、性格は自分から離れることはないからね。

最後に一番重要なこと。それは、精神的魅力は、他人の友情や思いやり協調性といったポジティブな感情を刺激することだ。

まとめ

魅力とは「人を惹きつける力、またはその強さ」のことだ。魅力は、物質的な魅力と、精神的な魅力の2種類に分けられる。

物質的魅力とは、財産、健康、美しさ、権力、名誉、人気などの、人の物質的な側面に関係する魅力のことだ。不安定で一時的で、自分のものに決してならない。一時的に自分のものにできたとしてもそれを維持するために多大な代償が必要になる。たいてい、他人のネガティブな感情を刺激する。

精神的魅力とは、性格のことだ。精神的魅力は自分と一体の物であり、一度身に付けるとほとんど失われることはない。たいてい、他人のポジティブな感情を刺激する。

仏教的に、精神的魅力として、次の4つがある。

  1. 布施(自分が持っているものを与える)
  2. 愛語(優しく思いやりを持って話す。人を傷つけない)
  3. 利行(有意義な生き方をする:利他)
  4. 同時(自他の扱いを差別しない)

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