マネジメント能力向上

背景

某企業様の総務部より、自社について次のような問題提示があった。

  • 部下に仕事を教えず、自分で抱え込む
  • リーダーがメンバーに関心がない(自分の仕事のことだけ)

これらは、リーダーのマネジメント能力の低さが関係していると思われた。先行研究から上司や同僚からの支援を多く受けている人ほど、離職しにくく、ワークエンゲージメント(≒生産性)も高いことが分かっている(1)(2)。

そこでマネジメント能力のうち、「部署内のコミュニケーションの活性化」というテーマに絞り、弊社がリーダー向けにマネジメント研修を行った。

介入

本来マネジメント能力を高めるには、同じ対象に対し複数回の介入を行う必要がある。しかし、今回は企業様の都合がありそれが難しかったため、リーダー同士場所的に離れていたことも考慮し、ZOOMでテスト的に1回行った。

結果

部署内のコミュニケーションの活性化について、新しい気づきが得られたものもいたようだった(感想参照)。

考察

マネジメント能力はマネジメントの知識やスキルの総合体である。つまり、リーダーのマネジメント能力を高めるには、「その職場におけるマネジメント能力とは何か?」を分析し、必要な知識やスキルの一覧にまとめ、それらが得られるように複数回の研修を設計しなければいけない。

しかし研修は従業員の労働時間の一部を使う場合が多く、一般的に物理的な制約がある。もし同じ対象者に複数回のマネジメント研修を実施する場合、専門家と担当者が打ち合わせを重ねて、事前に綿密な計画を立てておくことが必須である。

参加者の感想

性別年齢感想
30時間の長い話し合いや、普段話さない人がいる場では最初の得意な事や最近あった事を言い合えるのは話し合いしやすくなり良いと思いました。ぜひ活用したいです。 付箋を貼るアイデア出しは自分の意見を出しつつ、他の人の意見が見えるのがやりやすくアイデアも広がった。アイデア集め、絞る工程がわかりやすかった。
41アイディア出しで日頃どんなことを思って仕事に向き合っているのかが見えて良かったです。
27アイスブレイク、短かったので緊張することなく話もできたし、聞くのもおもしろかった。ZOOM越したっだので、どんな内容になるのだろうと思っていたが、意見発信も気軽にできるツールを使用していただけたので、楽しく参加することができた。 コミュニケーションは大切な事であるが、なかなか活性化するための具体例→実行までいかないことが多い。しかしこの研修を受けて実行の段階まで進めることができたので、うまく実行するものを活用していきたい。
34研修を受けて、コミニケーションの重要性を改めて認識することができました。他部署の方とも交流することができ、凄く有意義な時間でした。 今後もA部署内で積極的にコミュニケーションをとり、業務がスムーズに進むようにしていきたいです。
36アイスブレイクの時間がよかったです。あれくらい気張らない会話の場が社内にももっとあるといいです。付箋を使って可視化できるのは便利だと思いました。みんなで同時に考えを共有できたのがよかったです。いろいろ案が出ておもしろかったです。
50普段簡単にコミュニケーションが取れると思っていても今回の研修をうけてあえてコミュニケーション取るということの難しさを感じた。ここの場所でも皆さんの思っていることが垣間見えたので面白いなと思った。 こんな小さな研修でも先陣をきって話してくれる人、なかなか自分の意見を言えない人がいるので自分の部署に帰った時にも参考になるように思う。
34過去に同僚間でも「会社にこんなイベントがあったらいいなー」という意見の交わし合いを行っていたのでその際に出た意見をしっかりと述べることができました。 実現可能なものも少し時間を要するものもありますが、会社内のコミュニケーションを良くしていくためには奇抜な発想というのが社員一人一人のモチベーションアップにも大いにつながるなと感じました。楽しいことを継続していくことは大切なことだと感じます。

参考資料

  1. 栗岡(2017)職業性ストレスと離職意思に関する研究
  2. 島津(2016)ポジティブメンタルヘルスとワークエンゲイジメント