ストレスチェック

ストレスチェックとは?

組織メンバーのストレス度を測るためのチェックです。組織メンバー一人一人にいくつかの項目に回答してもらって、ストレス度を計算します。全体的なストレス度の他にも、仕事の負担度、仕事の裁量権、仕事の外のストレス要因、同僚や上司からの支援など色んな対象を測れます。

回答時間は5分~10分程度なので負担もあまりかかりません。従業員50人以上の事業場は必ず実施するように法律で決められています。

これは、経済産業省の健康経営優良法人の認定を受ける際の、条件の一つにもなっています。

ストレスチェックは何を測っているのか?

こういう疑問を持ったことはありませんか?一言で「ストレス」と言っても、広い意味がありますからね。実は、ストレスチェックでは、次のモデルがベースになっています。

これは、アメリカ国立労働安全衛生研究所(NIOSH)が提唱した「職業性ストレスモデル」と言われるものです。

ちょっとややこしそうですが、このモデルの意味は簡単です。要するに、「ストレスの原因が同じでも、反応はその時の状況によって変わってくるよ」ということなのです。

その時の状況というのは、次の3つです。

  • 個人要因:個人の性格、考え方など
  • 仕事外の要因:たまたまそのときプライベートで離婚騒動があったなど
  • 緩衝要因:同僚や上司からどれくらい支援があるか

ストレスチェックのデータ管理

従業員個人の結果は、人事権がある人(社長や人事部など)は見ることができません。結果が不当に利用される可能性があり、また従業員もそう感じるからです。

逆に、データを外部に管理させれば従業員も比較的安心してストレスチェックを受けられます。外部に委託した方がよいのはそういう理由です。ただし、集団分析の結果は個人を特定できない範囲で人事権がある人でも見ることができます。

ストレスチェックのメリットは?

社員さんの、ストレス反応、ストレスの原因、ストレス要因などを見える化できることです。そうすることで、打つべき対策がはっきり分かり、ストレスなく生き生き働ける職場を作るための具体的な一歩が踏み出せます。

またそのことは生産性向上、企業イメージ向上、新しい人材の確保、労災防止など様々なメリットの基盤になります。

ストレスチェックの流れ

1.ツールを選ぶ

ストレスチェックのためのツールはたくさんあります。でも、一般的には、厚生労働省が推奨している「職業性ストレス簡易調査票」を使います。これは、紙版とパソコン版があります。どちらでもOKです。

2.ストレスチェックを実施する

ツールを決めたら、ストレスチェックを実施する期間を決めて、実施します。

例えば、紙版なら、組織メンバーの人に一部ずつ配って、それに回答してもらいます。パソコン版なら、プログラムを共有フォルダに入れて設定します。それから、メンバーの方にそのプログラムにアクセスしてもらって回答してもらいます。

3.結果を集計する

全員の回答を集めて集計します。その集計結果をもとにグラフ化します。グラフは、個人結果と集団結果の2種類あります。

  • 個人結果:どの人がどれくらいストレスを感じているかをグラフ化
  • 集団結果:あなたの組織で、どんなストレスがどれくらい高いかをグラフ化

4.結果をフィードバック

個人結果に関しては、守秘義務があります。なので、本人の結果は本人だけに伝える形になります。集団結果に関しては、個人を特定できない形で、御社に公表することができます。

5.集団結果をもとに職場環境を改善

集団結果を見ると、あなたの組織で、どんなストレスがどれくらい高いかがわかります。例えば・・・

  • 仕事の量は適量だけど、同僚の支援が足りていないようですね
  • 上司の支援は十分だけど、仕事のやり方がガチガチに決まっていて、それがストレスになっているようですね

のようなことが分かります。そういう結果をもとに、「じゃあ、どうしたらもっとメンバーの方が働きやすくなるのか?」を、専門家も交えて話し合うこともできます。

ストレスチェックを実施できる人

ストレスチェックは誰でも実施できるわけではありません。まずは、特定の国家資格が必要です。私が持っている公認心理師もその一つです。

その上で、ストレスチェック実施者養成研修を終了しなければいけません。それで初めてストレスチェックの実施者になれます。

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