From:堀口寿人
雪降る夜のスタバにて
世の中には2種類の人がいる。
頭の回転が速い人と、頭の回転が遅い人だ。
誰もがほとんど変わらない容量の脳ミソを持っているのに、不思議だと思わないだろうか?
物理的に見ると、だれもが同じくらいの能力を発揮できないとおかしい。でも、実際は全然違う。
頭の回転が速い人はどんどん問題を解決したり、アイディアが浮かぶし、遅い人はいつまでたってもアイディアは浮かばない。
実は、この差は僕たちの心理状態と深い関係がある。
だから、もしあなたが「自分は頭の回転が遅い」と自己嫌悪を感じていたとしても大丈夫。
人の心理状態のカラクリをよく理解し、適切な心理状態を作れば、あなたの頭の回転は格段に速くなる。間違いない。
ちなみに、頭の回転というと、「思考」という言葉がぴったり合う感じがする。
でも、僕はあえて「心理状態」という言葉を使ったのにはわけがあって、、、
それは、実際には、思考も感情もどちらも脳の働きで、はっきりした区別がないからだ。だから、今からは思考も感情もまとめて「心理状態」と呼ぶことにする。
と、前置きしたところで・・・
まずは、「頭の回転とは何か?」について考えてみよう。
頭の回転とは何か?
「頭の回転」とは面白い言葉だ。頭がグルグル回転して、回転が速い方が頭がいいというイメージが直観的に伝わってくる。
それはそうと、頭の回転が速いとはどういうことなのか?
あなたは、頭の回転が速い人と聞くとどんな人をイメージするだろうか?
僕だったら、、、
- 問題の解決策がどんどん浮かぶ人
- 楽しいアイディアがたくさん湧き出てくる人
- 例えが絶妙な人
- 状況に合った言葉を上手に使う人
- 一度聞いたことをきちんと覚えている人
- ちょっと話しただけで、相手の言いたい事を全部理解する人
みたいな感じだろうか。
じゃあ、逆に頭の回転が遅い人といったらどんな人だろう?
まあ、今上げた例の逆のタイプだよね。
- ずっと悩んでるだけで解決策を思いつかない人
- アイディアが思い浮かばない人
- 単調で面白くない表現の人
- 人の状況を考えずに、自分の都合だけで話してしまう人
- 何度聞いても情報を忘れてしまう人
- なかなか相手の言いたいことを理解できない人
って、感じかもしれない。やっぱりネガティブな表現になってしまう。
こうやって見ると、明らかに頭の回転が速い人は、頭がよく働いているし、頭の回転が遅い人は頭が全然働いていない。
この違いは一言で言うと、「知恵」があるかないかの差だ。
知恵とは問題を解決する力のことだ。頭の回転が速い人は知恵がある人だ。頭の回転が遅い人は知恵がない人だ。
これを聞いて「ああ、やっぱり自分は知恵がないんだ」と自分を責めたりしないで欲しい。
知恵は、今からいくらでも発掘することができる。まるで地面を掘って地下水脈を発掘するように。
じゃあ、知恵はどこから生まれてくるのだろうか?
それを知るためには、人の心理状態のカラクリを理解する必要がある。
人の心理状態は細かく分ければ、すごく複雑になるが、大まかに分けると2つに分類できる。ネガティブな心理状態とポジティブな心理状態だ。
ネガティブな心理状態
ネガティブな心理状態と聞けば何となくイメージがつくかもしれないが、イライラしたり、嫉妬したりといった心理状態の事だ。
このネガティブな心理状態も、さらに次の3つに分類できる。
欲求(貪欲)
一つ目は欲求だ。これは直感的に分かると思う。
- 美味しいものを食べたい
- 人から尊敬されたい
- 大金を稼ぎたい
- 女性にもてたい
みたいな感じだ。
ただ、一口に欲求と言っても実は、種類がある。中にはネガティブじゃない欲求もある。
例えば、「困っている人を助けたい」というのは、字面だけ見ると欲求に見えるが、これは後でやる献身の心理状態だ。
ここで言う欲求とは、あくまで「自分さえよければいいタイプの欲求」だと思ってほしい。
欲求にも色んな分類方法があるので、関して詳しくは「マズローの欲求5段階説」を参考にして欲しい。
怒り
二つ目は怒りだ。実は欲求と怒りは表裏一体の関係にある。
というのも、僕たちがイライラするのは欲求が満たされないときだからだ。
あなたが、最近イライラしたときを思い浮かべて欲しい。どんなときだろうか?
例えば、僕のケースで言うと、車で急いでいるときに、前のタクシーが20kmで走っていた。片側一車線の道路だったので、追い越すこともできない。このときにイライラしてしまった。
ということは、僕の中に「速く目的地に行きたい」という欲求があったからだ。もし、僕の中に急ぐ用事がなければ、おそらくイライラしなかっただろう。
無知
無知というのは、ものごとをよく理解できていない心理状態だ。
例えば、僕の知り合いに常に時間に追われている女性がいる。いつだって焦っているのだ。
前にその女性から電話がかかってきたときの話だ。その女性は、僕にこう言った。
「ねえ、息子の事で聞きたいことがあるんだけど。でも10分しか時間ないから、手短に教えて欲しくて。それで今私仕事忙しくて、全然時間なくて・・・あっそうだこの前上司にね・・・」
そんな感じで彼女の話は続き・・・結局、何の話だか分からずに、話は終わった。
要するに、その女性も僕に何を相談すればいいのかをよく理解できていなかったのだ。
それに僕から電話したわけでもないし、10分しか時間がないときに相談してきたのも、全部その女性の都合なのだ。
つまり、本当に解決したいことがあるなら、
- きちんと相談したいことをまとめて、
- 自分の時間が十分取れるときに、
- 僕に相談時間をとってもらえるかどうかを聞く
べきだった。そうすれば、何の問題もなく、その女性も自分が欲しい答えが手に入ったはずだ。
つまり、この3つの点でこのときの女性の心理状態は無知だったわけだ。(この女性が無知だと言っているわけではない。)
ネガティブな心理状態まとめ
僕たちのネガティブな心理状態は、必ずこの3つのグループのどれかに分類される。例えば、嫉妬は怒りだ。「石にも心があって石は生きている」と考えるなら、それは無知だ。
そして、重要なポイントを話す。
この3つの心理状態はお互いに関係しあっている。
どういう事かというと、欲求の心理状態の時も、怒りの心理状態の時も、無知が絡んでいるということだ。
もっと分かりやすく言うと、「欲求・怒り・無知の心理状態のとき、頭の回転は遅くなっている。」ということだ。
つまり、頭の回転を速くするには、次に話すポジティブな心理状態をつくる必要がある。
ここで一つ補足だ。欲求はネガティブな心理状態と聞いて納得いかない思いはないだろうか?
例えば、レストランにおいしいご飯を食べに行くことは喜びだし、ポジティブに聞こえる。
でも、それはレストランに行って、おいしいご飯を食べられた場合にポジティブに感じるわけだ。「レストランでおいしいご飯を食べたい」と欲求が生まれた時点では、決してポジティブな心理状態ではない。
欲求は満たされたときに、ポジティブに感じる(欲求がなくなるため)。欲求そのものはネガティブなものだ。
ポジティブな心理状態
ポジティブな心理状態は、ネガティブな心理状態の逆をイメージするとよく分かる。だから、ポジティブな心理状態も次の3つに分類できる。
献身
献身は欲求の逆の心理状態だ。欲求は「もらう」という意味なのに対し、献身は、「あげる」ことを意味する。
「何か人にあげたい」というのが献身の心理状態だ。
お金をあげるでもいいし、プレゼントするでもいいし、仕事を手伝ってあげるでもいい。純粋に見返り無くあげたとき、僕たちの心理状態は献身の状態になる。
ちなみに、見返りを想定してあげる場合は、欲求の心理状態だ。外から見たら同じに見えても心理状態は真逆なのだ。
もし、「自分には何もあげるものがないよ・・・」と感じるなら、まわりの人に「言葉」をあげよう。
「ありがとう」「こんにちは」「おはよう」「ステキな方ですね」
何だっていい。一言でもいい。人が元気になるような言葉をかけてあげよう。
それだけでも、十分献身の心理状態は作れる。
思いやり
思いやりは、怒りの逆の心理状態だ。怒りがクルンとひっくり返ると思いやりになる。
怒りは、「相手を破壊したい・否定したい」という意味なのに対し、思いやりには「相手が良くなってほしい・肯定したい」という意味がある。
別の表現をすると、優しさとか、無償の愛とかそういうイメージにも近い。
思いやりの心理状態をつくる方法は「許す」ことだ。
僕たちは、色んな対象に日々怒りを持つ。
両親、友人、奥さん、会社の上司、隣人、信号、警察、天気、・・・そして、自分に対して!
その対象をとにかく許すのだ。
許すのは簡単じゃない。これまで否定していたものを肯定するわけだから。でも、それができたとき思いやりの心理状態が生まれる。
知恵
知恵は、無知の逆の心理状態だ。ものごとをよく理解できている状態だ。
例えば、さっきの僕に電話をしてきた女性にもう一度登場してもらおう。彼女が僕に電話をする前に、こう自問していたらどうだっただろう?
- 私は何のために寿人さんに電話するのか?
- 今自分は相談すべき時なのだろうか?
- どうしたら寿人さんに相談時間を十分にとってもらえるだろうか?
そうすれば、彼女は自分が相談したいことは何かが的確につかめたはずだ。相談のために最適な時間も確保できたはずだ。
もし、そうなっていたとしたら、彼女は知恵の心理状態だったことになる。
じゃあ、知恵の心理状態をつくるためにどうしたらいいかだけど、、、
5W1Hで考えることだ。
有名なので知っているかも知れない。でも念のためここで、もう一度考えてみよう。
- What(何?)
- Why(なぜ?)
- When(いつ?)
- Where(どこ?)
- Who(誰?)
- How(どんなふうに?)
何か問題が起きた時、この5つの魔法の質問をすることで、解決策が見いだせる。(つまり知恵が生まれる)
余談だが、僕はこの5W1Hを「事実確認の5つの魔法の質問」と呼んでいる。
ポジティブな心理状態まとめ
ポジティブな心理状態は、献身、思いやり、知恵の必ずどれかに分類される。
- 欲求を手放した状態が献身
- 怒りを手放した状態が思いやり
- 無知を手放した状態が知恵
ということだ。この3つも、ネガティブな心理状態と同じように、連動している。だから、献身や思いやりの心理状態のときは知恵が生まれやすい。
試しに人の悩みを聞いてあげたり、人を助けたりしてみてほしい。このときものすごく頭がさえている自分がいるはずだ。
そして、重要なポイントだが、ネガティブにしろ、ポジティブにしろ、僕たちの心理状態はものすごいスピードで変化する。
さっきまで、欲求の心理状態でいたと思ったら、次の瞬間、知恵の心理状態になることもある。そんな感じで僕たちは色んな心理状態を常に経験している。
もう一つ補足だが、ネガティブな心理状態とポジティブな心理状態は絶対に同居しない。だから、例えば、欲求と知恵が同時に生まれることはない。
その理由は脳の働きによる。ポジティブな心理状態のとき大脳が活性化する。ネガティブな心理状態のとき、大脳辺縁系が活性化する。この2つは同時に活性化することがないのだ。マニアックになるので、説明はこの辺にしておくが。
頭の回転まとめ
ということで、ざっとおさらいをしよう。
まず、人の心理状態は2種類に分けられる。ネガティブとポジティブだ。
さらにネガティブな心理状態を分類すると次の3つになる。
- 欲求
- 怒り
- 無知
ポジティブな心理状態は、ネガティブな心理状態と真逆だ。なので、ポジティブな心理状態を分類すると次の3つになる
- 献身
- 思いやり
- 知恵
頭の回転が速いとは知恵が生まれている心理状態のことで、頭の回転を速くするには、ポジティブな心理状態をつくる必要がある。
そのために必要なのは次の3つだ。
- 人にあげる(プレゼント、情報提供、手伝いなど)
- 許す(自分、両親、友人、奥さん、会社の上司、隣人、まわりの環境)
- 5W1Hで考える
ここまでお話を聞いても、「「あげる」とか「許す」が、頭の回転とどう関係あるんだ?」と思うかもしれない。「一般的に人が言っていることと全然違うじゃないか!?」と思うかもしれない。
でも、一度やってみて欲しい。必ず効果がある。なぜなら、これが人間心理の事実だからだ。
きっと心が満たされ、安定し、集中力が高まり、頭の回転が速くなるのを実感できるはずだ。
そして、もし効果が実感できたなら、ぜひ僕に下のコメント欄から、コメント欲しい。その喜びを分かち合いたいし、さらにあなたの頭の回転が速くなるように応援したいと思う。
こんにちは
最近失敗ばかりで自己嫌悪と後悔で心身共ボロボロでした。
この記事をきっかけに自分を許そうと思います。
ありがとうございました。
山田さん
堀口です。お役に立ててうれしいです^^
自分を許そうと思われたということは
きっと、自分に厳しくされてきたのだと思います。
また、役立つ記事をどんどんアップしていきますので
たまに羽を休めに来てくださいね。
もし、仮に一度で自分を許せなくても
「そんな自分を許す」と、繰り返しゲームのように
楽しんでみて下さい。
昔の山田さんは、きっとその時はその時で
100%がんばっていたはずだから。
僕はそう思います。
山田さんがお幸せでありますように。
そして、ますます活躍されますように。
こんにちは
最近失敗ばかり自己嫌悪と後悔で心身共ボロボロでした。
この記事をきっかけに自分を許そうと思います。
ありがとうございました。