某企業様の総務部は、次のような問題で悩んでいた。
- 社員同士の距離を縮められない
- ミーティングで思っていることを発言できない。ミーティング後に他の人に愚痴る
- 想定と違う返答が来たら落ち込む
- 人を選んで意見する
これらはいずれもコミュニケーションスキルが低いことによって生まれる問題と考えられた。過去の研究から、コミュニケーションスキルが高いほど、ワークエンゲージメント(≒生産性)が高く、幸福感が高く、ストレスが小さく、抑うつになりにくいことが分かっている(1)。
そこで、コミュニケーションスキルを高める目的で弊社が一般社員向けにコミュニケーション研修を実施することとなった。
介入
本来コミュニケーションスキルを高めようと思った場合、同じ対象に対し複数回のコミュニケーション研修を行う必要がある。
しかし、今回は企業様の都合がありそれが難しかったため、テスト的に一般社員向けに2回行った。合わせて、毎回研修後に、研修で学んだことを日常で実践するため、自分で宿題を決めて実践してもらうよう促した。
- 1回目:一般社員向け(2021.3.17)リアル開催
- 2回目:一般社員向け(2022.1.27)リアル開催
結果
自身のコミュニケーションの問題点や、これからのコミュニケーションの取り方についての理解が深まり、新しいコミュニケーションの実践の意思を示す参加者も多くいた(感想参照)。
考察
今回はテスト的に対象者を変えて2回の研修を行った。しかし、コミュニケーションスキルは1回の研修で高まることはなく、少なくとも1回2h×3回の研修+宿題が必要である。
しかし研修は一般的に業務の合間をぬって実施する形になることから、実施には制約が伴う。もし同じ対象者において複数回の研修を実施する場合、専門家と担当者が打ち合わせを重ねて、事前に綿密な計画を立てておくことが必須である。