背景
某社の社長から「Cさんの態度が問題があるから、改善の余地があるかどうか査定してほしい」との依頼があった。これに対し、当方が<Cさんだけを査定するのは倫理的に問題があるから、入社3年未満の社員を全員面談しましょう>と打診し、今回の面談が実施された。
介入
社員がかかえる問題や悩みを査定する目的で査定面談を実施した。面談は、1人30分であり、Cさんを含む、入社3年未満の社員8名が対象となった。
結果
当初、社長が問題を感じていたCさんからは、特に顕著な問題は見られなかった。Cさん自身は、自分が以前に起こした問題行動を認めており、それを改善するための施策を自分なりに実行していると言っていた。後に社長に確認すると、実際に、問題行動は以前よりも減ってきているとのことだった。
一方で、真面目に仕事に取り組んでいると思われるDさんに重篤なメンタルの問題がある可能性が示唆された。後日Dさんの心理検査を行ったところ、重篤なうつ症状が認められた。
考察
一見すると、問題社員に見える人に問題がなかったり、問題社員に見えない人に問題があったりする典型的な事例だと言える。
問題の本質をとらえ違えた状態で、対策を行っても本質的な解決には至らない。社員や職場の問題を解決するには、まず問題の本質を捉える必要がある。