今日こそ聞いてみよう!
ある日僕は、決意した。
僕の知り合いの女性に、とある質問をしたかったからだ。仮にその女性をAさんとしよう。
Aさんはとっても感じのいい人で、サービス精神も旺盛だ。会うたびに、何かちょっとしたプレゼントを毎回くれる。
「これ、きっとあなたが好きかと思って」そんな事を言いながら。
ただ、少しそれについて妙な感じがしていた。もちろん僕にだけでなく、Aさんは誰に対してもそう言う感じなのだ。
なぜ僕が妙に感じていたかというと、僕が逆にAさんにプレゼントをしようとすると、必ず強く断ってくるのだ。
でも、僕が「せっかくAさんのために買って来たんだから、受け取って」と言うと、やっと受け取ってくれる。
毎回がこういう感じなのだ。
つまり、Aさんは与えるのはとても上手だが、受け取るのはとても下手な人だった。それが僕に違和感を感じさせていた原因だった。
そこで僕はAさんに聞いてみた。
「Aさんて、いつもプレゼントしてくれるよね?仮にもしAさんが人に会ってもプレゼントしなかったとしたらどんな気持ちになるの?」
すると、Aさんはちょっと間をおいて、こう言った。
「何か、いてもたってもいられない感じになるかも。自分がここにいてゴメンナサイって感じ。」
この話はインナーチャイルドが傷ついている人の一例だ。
もし、あなたが傷ついたインナーチャイルドを癒したいと思っているなら、もしかして
- 人が信じれず、家族といても孤独感を感じているから
- 自分は他の人よりも価値のない人間に思えるから
- 何か人にやってあげてやっとプラスマイナス0
のような原因があるのかもしれない。
ただ、安心して欲しい。
インナーチャイルドの傷つきは生まれつきのものではない。
僕たちが、生まれてから、後付けでできたものだ。後付けでできたものなら、後付けで癒せるはずだ。
そして、インナーチャイルドを癒すことで、あなたは本当の自分の価値を十分に受け取れるようになるだろう。
それは、まるで自分をゴミ捨て場にあるガラスくずのように扱うのか、よく磨かれたダイヤモンドのように扱うのかくらい違う。
あなたが、自分をダイヤモンドとして受け取れた時、そこには必ず自尊心、自信、自己肯定感というプラスの感情がついてくる。そして、そんなプラスの感情をふりまくあなたを見て、まわりもあなたをダイヤモンドとして扱うようになる。
インナーチャイルドとは?
それでは、インナーチャイルドの癒し方だが、その前にインナーチャイルドについて、きちんと定義しておきたい。
というのも、あなたと僕との間で「インナーチャイルド」の定義が違うと、これからする話は、あなたにとって実りの薄いもになってしまうからだ。
まず、インナーチャイルドとは、読んで字のごとく、「中にいる子供」という意味だ。
僕たちの中には子供時代の経験や記憶がぎっしり詰まっている。今は過ぎ去った子供時代も記憶として何度でも再現できるのだ。まるで僕たちが昔にタイムスリップしたかのように。
それを、分かりやすくイメージ化したものがインナーチャイルドだ。
だから、僕たちの中にインナーチャイルドという別の生物がいるわけじゃない。ま、一応念のため言っておく。
要するに、、、
インナーチャイルドとは、「子供時代の記憶」の事だ。
じゃあ、どうして子供時代の記憶がそれほど大事なのか?
それは、子供時代の記憶は僕たちの「思い込み」に深い関係があるからだ。
思い込みがどれほどパワフルかを説明するために、僕が実験台になろう。
僕の名前は「ひさと」と言う。
だから、町で「たかし~」とか「けんいち~」とか、呼ぶ声がしても、僕はそれほど気にしない。知らない人が知らない人を呼んでると思うくらいだ。
ただ、これが「ひさと~」だったら、話は変わってくる。
僕の感情はマックスにまで高まり、すかさずその声のする方へ顔を向けるだろう。反射的に。
何が言いたいかというと、僕は自分が「ひさと」だと思い込んでいると言いたいのだ。もちろんこの思い込みは生まれてからできたものだ。
たぶん、あなたも僕と似たような反応をするんじゃないだろうか?
じゃあ、ここであなたに聞きたい。僕たちの中にある思い込みは自分の名前だけだろうか?
勘のいいあなたはもうお気づきかも知れないが、お察しの通り、思い込みは名前だけではない。むしろ、無数にある。数えきれないくらに無数に。
見るもの、聞くもの、嗅ぐもの、味わうもの、触れるもの、考えるもの、僕たちがこれまで経験してきた全てに対して、僕たちは思い込みを持っている。そしてその思い込みにそって生きているのだ。
心理学では、その思い込みはたいてい思春期(12歳ごろ)までに、形成されると言われている。
言いかえれば、僕たちは思春期ごろまでに、「○○とは○○である」というルールを無数に頭の中に作っていくのだ。ルールを作る基準は、自分が見聞きした体験がベースとなる。
これがインナーチャイルドの実体だ。
そして、もう一つのポイントは、インナーチャイルドの傷つき具合には個人差があるということだ。
例えば、子供時代に両親から「お前はダメな子だ」と100回言われた人と、10000回言われた人では傷つきの深さが違う。
インナーチャイルドの傷つきが深ければ深いほど、癒すのに時間がかかる。それを前提に、いったんできてしまったインナーチャイルドを、どうやったら癒せるのかを今からお話していきたい。
ちなみに、この話は、僕が思う最も理解しやすいインナーチャイルドを癒す方法だ。だから、これが全てではないし、一つの手法だと思ってリラックスして取り組んでほしい。
インナーチャイルドの癒し方
じゃ、さっそくインナーチャイルドを癒してみよう。
まずは、次の流れを一通りざっと目を通して欲しい。
――――――――――
イメージして欲しい。
あなたは小さな映画館にいる。
時間は深夜の0時。
閉館時間もとうに過ぎたその映画館に、あなたは一人。当然まわりには誰もいない。臼暗闇にあなたは一人座っている。
あなたの目の前には、真っ白な大きなスクリーンが一つ。
すると、どこからともなく音が聞こえてきた。
カラカラカラ・・・
何かの映画のフィルムが勝手に動き始めたようだ。
スクリーンには映し出されたのは、薄暗いゴミ捨て場。
そこには、
さび付いてボロボロになった自転車
捨てられた目が取れているぬいぐるみ
もう動かないオーディオ
骨の折れた傘
割れて使えないお皿
使い古された洗濯機
・・・・
そういう使い古された日用品がたくさん捨てられている。
おや!?
奥のほうから、誰か歩いてくる。
どうやら、小さな子供のようだ。
ヨロヨロ・・・
ヨロヨロ・・・
今にも倒れそうになりながら、必死でこちらへ歩いてくる。よーく見ると、その子は鎧を着ているではないか。その子の体には似合わない大きな鎧・・・
ヨロヨロ・・・
ヨロヨロ・・・
苦痛に顔をゆがめながら、今にも泣きそうな表情で、こちらへ歩いてくる。
その子には、実は・・
痛い事があった。
悲しい事があった。
もう触れたくない事があった。
何度も愛を表現したのに拒絶されたことがあった。
だから、その子は決意した。
「自分はもう傷つきたくない・・自分のことは自分で守るんだ!」
だから、もう傷つかないように一つ、また一つと大きな鎧を身につけていったのだ。
鎧を着ていると確かに傷つかない、
でも、、、
喜びにもうれしさにも、何にも触れる事はできない。
そんな重い鎧
自分一人だったから、他にだれも頼れる人がいなかったから、その子は自分で鎧を着るしかなかった。そうしないと生きて来れなかった。他に方法が見当たらなかった。
さて、では大人になったあなたが、今からその子の近くに行って、その鎧を一つ一つとってあげよう。
偉いね~。
辛かったね~。
よく一人でがんばってきたね~。
そう言いながら、一つ一つ・・・。
そして、大人のあなたは言う。
『あなたのお父さん(お母さん)は決して、あなたが憎かったわけじゃないんだよ。どうしてもそうしなければならない特別な事情があったんだ。』
『でも、そうと分かってても辛いよね!?大丈夫。私がいるから。私がいつでもそばにいてあげるから。あなたは一人じゃなから』
『だから、もうこんな鎧着なくてもいいんだよ。あなたを傷つけたい人なんて本当はいないんだよ。』
そしてその子を抱きしめてあげて。
その子は暖かい?冷たい?
もしその子の体が冷たかったら、その子に聞いてあげて欲しい。
「私の体は暖かいですか~??」
今、その子はどんな表情をしているだろう??
その子はどんな気持ちだろう??
そして、その子はあなたの心に解けていく・・・
ありがとうお姉ちゃん(お兄ちゃん)
ありがとう・・・・
ありがとう・・
ありがとう・
ありがとう
その子はずっと待っていた。
自分の事を全部分かってくれて、あったかく包み込んでくれるお兄さんとかお姉さんがいたら、どんなによかっただろう?
でも、見つからなかったから、ずっと一人だと思ってきたから、ずっと一人で自分を守ってきました。重くて大きな鎧を体につけて、自分を守ってきたのだ。
でも今は大丈夫。
やさしいお兄さん・お姉さんが守ってくれるから。
癒されたインナーチャイルドは、あなたの心で活力となり元気となり、あなたを後押ししてくる。きっと。
まるで、
外で一日中遊び続ける子供のように。
楽しみで頭がいっぱいの子供のように。
新しいアイディアにどんどんチャレンジする子供のように。
――――――――――
お疲れ様でした。どうだっただろうか?イメージワークの流れは何となく理解できただろうか?
それでは、イメージワークの最初に戻って、今度はイメージを大きく膨らませながら、実践してみて欲しい。
実践する方法に決まりは無いが、できれば静かな場所で眼をつぶってイメージするようにしてほしい。
ちなみにイメージワークの流れを完璧に覚える必要はない。大事なのは傷ついた過去の自分を癒すことだ。
だから、イメージワークの流れが頭に入っていない場合は、見ながらやってもいいが、できればうろ覚えでもいいので、眼をつぶって過去の自分のイメージに集中して欲しいと思う。
それでは、ここで少し時間をとって、実践してみよう!
・・・・・
実践してみよう!
・・・・・
さて、実際にやってみてどうだっただろうか?
もし、あなたのインナーチャイルドが、大きすぎる鎧を身に付けている場合は、何も感じなかったかもしれない。
でも、だからと言って、今回の実践が何の意味もなかったわけじゃないので、安心して欲しい。
前にも、お話したように、インナーチャイルドは傷つきが深ければ深いほど、癒すのにも時間がかかる。
実際、僕の実体験で言うと、僕が初めてこのイメージワークをしたとき、「とんだ茶番につき合わされた」と感じた。
とくに、僕は長男で、第一子ならではの厳しいしつけをされてきたので、僕は知らず知らずの内に大きな鎧を身に付けていたのだろう。
でも、当時の僕はそんなこと気づきもしなかったし、「自分は傷ついてなんかいない」と本気で信じていた。(だが、それから多くの傷つきがあることが発覚していくのだが・・・)
今では、上でやったイメージワークを、文字で書き出しているだけで、ジーンと感じるものがある。
だから、今は仮に何も感じなかったとしても、定期的に取り組んでみて欲しい。
まとめ
さて、長くなったので、これまでのお話を簡単にまとめておく。
まず、インナーチャイルドとは子供時代の記憶のことで、僕たちの思い込みと深い関係がある。
この思い込みとは「○○とは○○だ」という、自分の中のルールみたいなものだ。ほとんどの思い込みは思春期ごろまでに作られる。
だから、インナーチャイルドを癒すには、子供時代から染みついた思い込みを書きかえてあげる必要がある。
具体的には・・・
- 「こいつが私のインナーチャイルドを傷つけんだ」とあなたが思う人がいたとしても、その人は決して本心からあなたを傷つけたいと思っていたわけじゃないこと
- その人は本当は、あなたの役に立ちたかったのに、そうできない自分を責めていたかもしれないこと
- その人のインナーチャイルドも、あなたと同じようにズタズタに傷ついているかも知れないこと
などを、大人になったあなたの目線から理解してあげることだ。
それを繰り返すことで、徐々に子供時代の間違った思い込みが書きかえられていき、結果的にインナーチャイルドが癒される。
最後に一言だけ。
インナーチャイルドは癒せる。
あなたはきっと、あなたが自分で思っている100倍以上も魅力的で価値のある人だ。あなたそれを信じられなくても、あなたの価値に変わりはない。
ダイヤモンドは誰が何と言おうと、ダイヤモンドであるように。
あなたがすることは、その価値を受け取ることだけだ。そして、あなたにはあなたの価値を受け取る義務がある。権利ではない。
だから、あなたが生きている内に(できればなるべく早く)、自分の価値を受け取って欲しい。そういう気持ちを込めてこの記事を書いた。
最後まで読んでもらって、ありがとう。
あなたがますます幸せでありますように。
キラキラ輝くダイヤモンド さん
コメントありがとうございます^^
まずは、よく実践されましたね。
世の中には行動できる方が少ない中、本当に素晴らしいと思います。
インナーチャイルドのワークは、これまでフタをしてきた感情に向き合うワークです。
だから、もしあなたがワーク中きつく感じたとしたら、それはワークがうまく行っている証拠です。
小さいときのあなたは全く悪くありません。
小さいながらに一生懸命だったはずだから。
ただ少しだけ誤解していたかも知れませんね。
また、たまにワークやってみて下さい。
きっとその度に少しずつ心がなじんて行く感じがすると思います。
それでは、応援していますね^^
お幸せでありますよう☆
インナーチャイルド気になっていたテーマに、一歩 足が竦みました。
でも思い切って イメージワークしてみました。ただ文章を読んでいる時から 心が反応し、きつかったな…。
小さくてカワイイ昔の自分…いっぱい抱きしめて上げます♡
一番の理解者ですものね!
重たい鎧を下ろします!!(決意)